マクロライド新作用研究会

代表世話人メッセージ Message

ご挨拶

代表世話人 工藤 翔二
財団法人結核予防会複十字病院院長
日本医科大学名誉教授

  1984年、わが国の難治性呼吸器疾患の一つであるびまん性汎細気管支炎(DPB)に対するエリスロマイシン(EM)療法が初めて報告されてから10年を経た1994年7月、第1回「マクロライド新作用研究会」が開催されました。  
  当時は、DPBに対するEM療法の作用機序の研究から、CAM、RXMなどの14員環系、さらには15員環系マクロライドの抗菌活性以外の薬理作用(新作用)の解明とその臨床応用の拡大が期待されていました。そのような中で、呼吸器内科・耳鼻咽喉科などの臨床領域の研究者と、薬理学・細菌学などの基礎領域の研究者が協同して研究を進めようと、この「マクロライド新作用研究会」が発足したのです。
  本研究会発足から今日まで15年余りの間、本研究会は毎年7月に開催される年次研究会を軸に、わが国のマクロライド新作用研究の推進に大きな役割を果たしてきました。今日、マクロライド療法は嚢胞性線維症cystic fibrosisの治療をはじめ、世界的にも関心を集めつつあります。そして、呼吸器、耳鼻科領域における慢性気道炎症から様々な臨床領域に拡大し、ライノウイルスやインフルエンザ感染の抑制的効果、COPDの急性増悪防止など、社会的にもインパクトのある領域への臨床応用の可能性への期待が高まっています。
  マクロライドの新作用に関心のあるすべての皆様が、気軽に参加して頂ける研究会を目指しています。